ローブ、デコルテを身に付ける歳

デコルタージュ、
フランス語である。
女性の最も、美しい部位を表す。
ロープ、デコルテを着こなせる女性は、
日本では、数少ない。
モデルや女優が、パーティやイベントで装ってはいるが、簡単なドレスではない。
ただ可愛い、美しいだけである。
ヨーロッパの貴族の歴史の中で、選ばれし女性だけが、身に付けることができる正装である。
顔が、肌が、スタイルが良いだけの若い女性が、どれほど頑張っても、着こなしは難しい。
老いてゆく肉体の中で、唯一、歳を重ねて、
品格を保つことができるデコルタージュ。
まっすぐに前を見据えた強い意志。
荒れ狂う時代の風に、向き合ってきた魂。
そして、溢れ出る慈愛の眼差し。
生きてきた姿勢が、首から胸にかけての美学となり、美意識が、白く、広い、美しい胸から、
放散する。
本物の成熟した女性の、知性と品性は、
デコルタージュである。
若い頃から憧れ続け、70歳を越えてローブ、デコルテが、やっと着れる歳になったと思っている。