平成を越えて

昭和、平成、令和が、私の人生の目安となった。
平成の時代は、あっという間に通り過ぎたが、
私の人生の中では、衝撃的な時代であった。
阪神大震災という悲劇を経験し、復興とともに、福祉の世界にも投入した。
40代から70代に至る、人としても女性としても、苦しみや悲しみと出会った時期である。
「平成」と言う元号は字のごとく、
「平和を成す」と、解釈していた様に思う。
私の平成は、何かをなさねばという思いに翻弄され続けて来た戦いの30年間であった。
震災で恐怖を味わい、喪失して行く不安感のなかで、確かなものを手に入れるために走り続け、たどり着いた場所には、待ち人は誰一人いなかった痛恨も味わった。
福祉の世界の中で出会った、絶望を抱えた人達、社会から排除されていた人達を、私が助けなければとの思い込みと妄想。
あっという間に過ぎていった平成が終わり、
卓袱の闇の中に、令和の輝く光が近づいて来ている。
まもなく、私のドラマの第三幕が始まる。
できれば、悲劇から喜劇に変えて、
「THE. END」にしたいものである。