人は変わらない

「こんなこと、今までで初めて!」
こんな言葉を、最近はよく聞く様になった。

満開の桜に、雪が降ることも、政治家たちが、耳を疑う言葉を言うのも、大相撲の親方がストライキするのも、びっくりである。

一瞬は「えっ!」と驚くが、
「へぇ~」と、受け止める。
滅多にないことにも、初めて見る光景にも、さほど驚きもしないし、深く考る事もしなくなった。

人が思う喜びや幸せ感も、悲しみや不幸せ感も、ずいぶん変化し、若い人達の夢や希望が、私たちの時代とはずいぶん違って見える。

恐る恐る差し出すものが、とんでもなくずれていたり、こんな無作法な事でいいのかしらと思ってる事が、意外にも若い人たちにとっては、都合が良かったりする。

自分の考えや意見が、相手の取り方いかんによっては、差別やパワハラになる可能性がある。
「いらん事は、何も言うまい」
になる。

親や先生から、理不尽なことを言われたり、怒られたりが当たり前だった時代、
「今に見とれ!」と、怒りや我慢を乗り越えてきた事が良かったのかは、今から思えば疑問である。

言い返す事もやり返す事もできずに、今も、心に傷として残っている。

「時代が違うからねー」
と、多くの年寄りは諦めてはいるが、どんな時代に生まれても、受ける悲しみや苦しみは同じである。

移り変わる時代の中で、最期まで、目を背けずに向き合い、受け止めて、心をコントロールして行かねばならない。
そして、若い人たちには、同じ悲しみをバトンタッチしたくないと願っている。